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歯医者の非常識が医療界の常識になるか?ポピドンヨード

新型コロナ感染症のポピドンヨードでうがいの効果(歯医者は失笑)

大阪府の吉村知事がポピドンヨードが新型コロナ感染に効果があるということで、薬局のポピドンヨードは売り切れ状態だそうです。
これを最初に聞いた時、私、思わず笑ってしまいました。 そして多くの歯医者が同じことを思ったとおもいます。
ポピドンヨードは確かに一時的に唾液のなかのコロナウイルスの数を減らすのに効果はあるとはおもいますが。
今日のホンジャマカのめぐみさんの番組、ひるおび!で内科の医師の方々がコロナの重症化、つまりウイルス性肺炎とともにおこる細菌性誤嚥性肺炎などをを防ぐのに有効なのでは、という話をしてましたが。
歯医者の常識からいえば、そんな事ありません。
摂食嚥下の研究が歯科においても、かなりすすんでいますが、一般的にイソジン(ポピドンヨード)のうがいで誤嚥性肺炎が防げるかどうかは、もう、かなり前に結論が出ているはずです。

イソジン(ポピドンヨード)と風邪の関係
20年近く前の日本の大学医学部の先生による有名な研究があります。
それは、イソジン(ポピドンヨード)で毎日うがいしたグループと水でうがいしたグループでは、どちらが風邪にかかる率が低かったかという研究です。
答えは、水でうがいしたグループのほうがイソジン(ポピドンヨード)でうがいしたグループより風邪にかかる率が低かったというものです。
これはイソジン(ポピドンヨード)で頻回にうがいすることにより口腔の細菌叢などがあらされたりしたことが考えられます。
この研究が示唆することは、イソジン(ポピドンヨード)でうがいするほうが、水でうがいするより新型コロナウイルスに感染しやすくなるということになるのではないかと私は解釈しています。

今年の3月頃、日本歯科医師会が各歯科医院に、口腔内の新型コロナウイルスをへらす方法として、そのガイドラインの中にポピドンヨードでうがいする事がかいてあります。
従って、歯科医師会に入会している歯医者は、ポピドンヨードで口腔内の新型コロナウイルスの数を減らすことができるのを知っています。
ただ、ポピドンヨードの消毒作用で口腔内の新型コロナウイルスの数を減らすことはできますが、決して新型コロナの治療的意味はないです。そのポピドンヨードがなくなれば、またもとに戻ってしまいます。
PCR検査の前にポピドンヨードでうがいすれば、もちろん偽陰性になる確率が高くなります。決してからだのなかの新型コロナウイルスの数が減ったのではありません。

まとめ
ポピドンヨードのうがいで新型コロナウイルスの感染予防の効果はありません、むしろ何もしないより新型コロナウイルスに感染しやすくなる可能性があります。
ポピドンヨードでうがいをした人が、一時的に、他人に新型コロナウイルスを感染さる可能性を低くすることはできるとおもいます。
飛沫つまり唾液中のウイルスの量を一時的に減らします。
軽症の新型コロナウイルス感染症のひとがポピドンヨードでうがいすることによって、重症化つまり細菌性の肺炎を併発する可能性は低くはならないだろうと私思っています。
それよりもちゃんとした口腔ケアをおこなう方が効果があるとおもいます。