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歯科専門職研修会

歯科専門職研修会

先日は、富山の歯科医師会において医療安全に関する歯科専門職研修会が開催されました。

この研修会は安全に歯科治療をおこなうことを目的としています。

私はこの種の研修会に最低でも、1年に1回参加するようにしています。

日本は超高齢社会に突入して、歯科医院を受診する方も高齢者がおおくなっています。

したがって色々な持病を持っておられる方が多く、そういう方々に歯科治療を行う場合、注意が必要なことが多くあります。また、高齢者ではなくても、必要となるものです。

 

歯科治療の多くが、外科的治療をともなうことがおおく、そういう方の体内に麻酔液や色々なくすりを使うと、それなりの反応が発生します。

その中で一番おおいのは、局所麻酔後に気分がわるくなる患者さんです。

そのおおくは、血管迷走神経反射と呼ばれるものです。以前は、デンタルショックといわれたりした時代もありましたが、現在の医療界では血管迷走神経反射と呼ばれています。

献血に行って採血されるまえに注射針を見て気分が悪くなる人もこの血管迷走神経反射によるものです。

精神的なストレスなどが原因となります。多くの場合は、酸素を吸ってもらって、足を少し上げて(私が歯科学生時代にならったトレンデンベルグ体位は現在ではおこなうことは否定されています)

時間を待ってもらえばなおります。当歯科医院では以前エフェドリンという薬剤を使用していた時代もありますが20年あまり使用することもなく、将来的にもしようすることがなさそうなので現在はおいてません。硫酸アトロピンはおいてありますが。

次に起こりやすいのは過換気症候群です。これも局所麻酔後に気分がわるくなります。時間を待てばまた回復します。ジアゼパムを打つこともありますが、普通は時間を待てば治ります

問題になるのは、アナフィラキシーショックです。確率的には、かなりひくいですが、これがおこると、すぐに対処しないとたいへんなことなります。

これに対応するのが、アドレナリンの筋注です。おおくの歯科医院にはエピペンをよばれる薬剤やアドレナリンのくすりがおいてあります。

 

その他、おおくの歯科麻酔分野の内容の講演でした。

直接の歯科治療とは関係は、あまり深くはないですが、安全に歯科治療を行う上で、歯科治療以前の、前提となる内容でした。