2021年01月10日

元々は関節リウマチの薬

富山が生んだくすりアビガンが、新型コロナ感染症Covid-19に有効な薬ではないかといわれて久しいですが、

なかなか有効であるという確たる証拠(エビデンス)がなく、あったとしても死亡率を下げるまでの有効性はないと言われている中、

イギリス政府は、新型コロナ感染症の死亡率、入院期間を短くする目的で従来、関節リウマチののための薬として使われていたアクテムラという薬などを推奨することを決めました。

イギリスの公的医療保険NHS(ナショナル ヘルス サービス)で、この治療を、以前オックスフォード大学が中心となって有効性を発見したステロイド薬、デキサメタゾンに加えて、このアクテムラの使用を推奨することをきめたそうです。

引用文献はhttps://www.gov.uk/government/news/nhs-patients-to-receive-life-saving-covid-19-treatments-that-could-cut-hospital-time-by-10-daysからです

イギリス政府によると、このアクテムラは新型コロナ感染症による入院患者さんの入院期間を10日間短縮することができ、また死亡率もデキサメタゾン単独の治療とくらべてデキサメタゾン に加えてアクテムラのほうが下がったそうです。

実は、アクテムラは日本生まれの薬です。

私が歯科学生のころ、そろそろインターロイキンという単語が歯科大学基礎系の研究者の間で使われ始め、正式な歯学部、歯科大学の授業のなかのオマケとして、細菌学の教授先生が、当時、大学院生にさせている研究で、インターロイキンにかかわるものを紹介されてました。

歯学部では、だいたいは、歯周病がらみで、インターロイキンが関わった研究です。

その頃以降、この分野の研究が医学部、歯学部などの生物系の学部で、世界的、そして当時日本ですすんで

大阪大学医学部の先生がインターロイキン6を発見したりしました。

そして、そのインターロイキン6を抑えるくすりアクテムラが生まれました。

インターロイキン6は炎症と免疫にかかわる物質です。

新型コロナ感染症発生当初、ノーベル医学生理学賞を受けた京都大学の本庶佑先生が、BSフジのプライムニュースで、現在ある薬のアクテムラが使えるのではないかと強くいっておられました。

その後、アクテムラに関して世界で色々な研究が行われました。

その結果は、アクテムラは有効だったという結果や、全く効果がなかったという結果がでたりして評価が分かれていました。

今回のイギリスの考えは、

コロナ感染症の患者さんが重症化して集中治療室(ICU)にはこばれて24時間以内にアクテムラを投与すれば、有効であると考えています。

確かに、時間が経てば、状態が複雑化して、インターロイキン6を抑えてももう、走り出している反応を抑えることは不可能です。

ということで、

デキサメタゾンと同時にアクテムラの使用がイギリスで推奨されるようになりました。日本でも、この治療が近い将来認められるかもしれません。

参考文献https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.01.07.21249390v1

やまもと歯科医院