2020年02月14日

摂食嚥下リハビリテーション嚥下と歯科

日頃、我々がほぼ無意識で行なっている食事行動、嚥下を歯科的に考えてみたいとおもいます。

まず、口腔から喉つまり咽頭に送れる食べ物の量はいかにして決められるか?

これは、まずは食べものを歯と舌、頰粘膜などの協調運動で咀嚼してドロドロにして口腔の奥の方に送りこみます。

 

口腔の天井の粘膜は骨で裏打ちされていますので固いですが、奥の方は骨の裏打ちがないので柔らかくなっています。これを軟口蓋(なんこうがい)と言います。

また、軟口蓋付近の口蓋と舌をつなげる、つまり、喉ちんこ付近から側方に下に弓状に見える粘膜の中の筋肉、これは舌を持ち上げる筋肉で口蓋舌筋(こうがいぜつきん)と呼んでいます。(また普通の医療職の人にとっては前口蓋弓と言った方がわかりやすいでしょうか。)

 

ドロドロになった口腔の奥に送りこまれた食べ物は、軟口蓋や口蓋舌筋に触れると軟口蓋が持ち上がり、つまり口蓋帆挙筋(こうがいはんきょきん)が持ち上がり、今まで口腔と咽頭を閉鎖した(区分けしていた)のが軟口蓋がもちあがることによって食べ物が咽頭に流れ込めるようになります。

その後直ぐに口蓋舌筋が活動して舌を上に持ち上げようとして、再び口腔と咽頭を閉鎖して、つまり口腔から咽頭に食べ物が通らないようにします。

この間に口腔から咽頭に流れ込んだ食べ物の量が1回嚥下量となります。

高齢者が入れ歯をずっと外した状態にしていると、筋肉の活動は低下して口蓋舌筋や口蓋帆挙筋は廃用化して、つまり萎縮してしまいます。

 

入れ歯なしで長期間過ごした方が、入れ歯を新たにつくり口の中に入れても口蓋舌筋や口蓋帆挙筋が廃用化している為、うまく口腔から咽頭に食べ物を移動させられないですし

それ以前に、舌が持ち上がらない為(その他色々な舌の筋肉の廃用化で)、食べ物を口腔の奥に上手く送り込めないということもあります。

 

従って、久しぶりに入れ歯を入れる場合は、トレーニングが必要になります。

また歯医者は、噛み合わせを低く作る必要があります。

食べる一口量も少なくすることが大切となります。

 

そして、皆様には、入れ歯ができれば直ぐに噛めるようになるということはないということを知っていただければと思います。