2020年07月19日

やまもと歯科医院

日本人の一般的な英語通訳者が通訳をする時、訳せない、または苦し紛れに間違った通訳をする時が多々あります。

歯科に関して素人であるアメリカ人が歯科治療について話しをする時、

英語を母国語とするアメリカ人にとっては誰でもわかる歯科用語であるけれども

日本人にとっては、誰でもわかる歯科用語ではなく、歯医者などの専門家だけが使う用語である為、日本人の通訳者がわからないことがしばしばおこります。

その代表が「根管治療(こんかんちりょう)」という歯科用語です。

英語を母国語とするアメリカ人などは、「root canal treatment(ルートキャナルトリートメント)」といいます。

これは、そのまんまの直訳です。

では「根管治療」とは何を意味するかというと普通日本語の会話の中では「歯の根っこの治療」ということになります。

我々、歯医者は他の歯医者や歯科衛生士と話しをする時は「歯の根っこの治療」とは絶対にいいません。

必ず「根管治療」といいます。(歯科技工士と話しをする時は、歯の根っこの治療といいますが)

この「根管治療」という言葉は、普通の日本人は使わない言葉なので、

日本人の英語通訳者もわからないことが多く、訳を飛ばしたり、歯科に関する言葉ということがわかる通訳者や、歯科の話題だということが前後の文脈からわかる通訳者は、歯科に関する、適当な、いい加減なことを言ったりします。(多くの日本人は、通訳が完璧に訳しているという前提に立って通訳の話しを聞いていますが、それはありません、通訳者の能力によりかなり差があります)

英語を母国語とする人が必ず知っている単語「sinus サイナス」もそのひとつです。

日本語では、「副鼻腔」です。

これにかんしては、日本人では、知っているひともいますし、知らない人もいます。でも大人のアメリカ人なら、ほぼ全員わかることばです。

副鼻腔は、日本では、歯科用語でもあり、耳鼻科用語でもある言葉です。

歯科では、副鼻腔のひとつである上顎洞がよくテーマになります。

歯性上顎洞炎やインプラント治療時のサイナスリフトと呼ばれる骨を増やす時によくサイナスが話題となります。

このサイナスに関しては、日本人の英語通訳者のなかには、意味をわかっていない通訳者もかなりいます。

最近話題になったアメリカのボルトン大統領補佐官が書いた曝露本のなかに「韓国政府、大統領は統合失調症」という訳が多くの日本のマスコミで紹介されていました。

この訳を聞いて、直ぐになにを言っているかピンときた日本人は少ないのではないかとおもいます。

これは私の感覚では、あまりにも直訳すぎてわからなくなっているとおもいます。

英語では統合失調症はschizophrenicスキッゾフレニックといいます。時には差別的にスキッゾと言ったりします。

問題は、英語を母国語とすると人の統合失調症のイメージが、日本人が持つこの病気のイメージとが違うことです。

医学的に正しいかどうかは別にして、

英語を母国語とすると人の統合失調症のイメージは、

ひとりの人が人格を2つ持っていて、ある時にはひとつの人格がある事をしゃべり、違う時には別の人格が正反対の事を言ったりすることです。

韓国政府、大統領はそのようなことを言った、行動したということをボルトン大統領補佐官がいいたいことで、日本人がもつ言葉のイメージとは少し違うのではないかとおもいます。

これにかんしては、日本人のメディア関係者のひとは、理解しているのかしていないのかはわかりませんが明らかに誤解を生む訳となっています。

歯科分野でも、政治分野でも、英語を訳するときに問題がありトラブルになったことは多々あります。

歯科の講演会では、通訳者の能力不足でアメリカ人の歯医者の演者が、不当に低く評価されたり、佐藤栄作、ニクソン会談で日本は嘘つきと言われたりしたこともありました。

通訳が腑に落ちないときは、通訳者を疑ってかかる事が時には必要なのではないかとおもいます。

通訳者がいつも言ったことを正しく日本語に訳しているとはかぎりませんので。