2020年03月05日

高齢者肺炎の8割は誤嚥性肺炎です。(Teramoto S,et al,J Am Geritar Soc.2008)

(その他に色々な要素もあります、例えば、子どもとの接触が多い高齢者は肺炎になる率が高くなるという研究をした外国の学者もいます)

 

誤嚥性肺炎の誤嚥には、

①食べ物による誤嚥

②唾液の誤嚥

③胃食道逆流の時の誤嚥

などがあります。

そのなかで、唾液の誤嚥、食べ物の誤嚥にかんしては、口腔内の細菌が重要となります。

唾液も食べ物も口腔を通ってきますので、その口腔に細菌が多く存在すれば、誤嚥した場合、肺につながる気管に入り込む口腔内の細菌がおおくなります。

ですので、口腔内をきれいに保っておくことが重要となります。(これを実際には歯科衛生士が中心となって行います)

それで、口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防に効果があります。これは、実際に色々な所、研究者(歯科医師や医師など)によって実証されています。

 

では、誤嚥すれば必ず誤嚥性肺炎をおこすかというと、そうでもありません。

誤嚥時の細菌の量や、カラダの抵抗力などが実際に、肺炎になるかどうかに影響します。

 

面白い研究があります。(Gleeson K,et al CHEST 1997)

平均34歳の健康な人に、寝る前に放射性物質をちょこっと、口腔内にいれて、(放射性物質を使用するのは、その後、その物質がどこに行ったか追跡できるようになる為です)その物質が、どうなるか、どこに行くかという研究では、

2晩、寝たあと、50%の人にその放射性物質が肺に到達していたという研究があります。

 

これが意味することは、若い健康な人でも、ある程度の誤嚥はしているけれど、誤嚥性肺炎になるということはなく健康に生活しているということです。

つまり、カラダの抵抗力も誤嚥性肺炎になるかならないかに、ある程度影響しているということになります。

 

胃食道逆流による誤嚥性肺炎もあります。

逆に胃食道逆流の薬(PPIなど)により、肺炎のリスクが高くなるという研究があったりします。(JAMA 2009;301;2120)これは胃の中のペーハーpHがあがり殺菌力が弱くなり起こった現象と考えられています。

 

ということで、誤嚥性肺炎のリスクを下げることにかんしては、歯科分野の口腔内の細菌もありますし、その他、色々な要素があり話が複雑です。

例えば、サルコペニアになれば、リスクが高くなったりします。

やはり、誤嚥性肺炎を減らすには、歯科を含め多職種の連携がかなり重要です。