2019年12月13日

黒毛舌(こくもうぜつ)

歯医者にとって、黒毛舌については、歯科大学の教育の中で詳しく、しつこく勉強させられる項目なので、この黒毛舌について知らない歯医者は、私の世代以下の歯医者では皆無ではないかとおもいます。

そして歯医者がこの黒毛舌ときくと最初に発想するのが、長期間服用している抗生物質の副作用として、口腔内の正常な細菌叢(さいきんそう、色々な細菌が共生して存在するもの)が荒らされて、バランスを崩してカンジタ菌(真菌つまりカビ)などにより舌が黒くなったんじゃないかということです。

その他にも歯医者が直ぐに思いつく黒毛舌の原因がいくつかあります。

そして、普通、歯医者があまり考えない舌が黒くなる原因もあります。

それは、パーキンソン病の患者さんの中には、時々舌が黒くなっている患者さんがおられるということです。

パーキンソン病の治療薬にレボドパというくすりがあります。

パーキンソン病は脳内の物質であるドパミンが減っておきる病気です。

このレボドパは脳内のドパミンを補う薬です。

そしてパーキンソン病の多くの方が便秘です。

それで便秘を改善する薬として酸化マグネシウムの薬をのんでおられます。

問題は、このレボドパと酸化マグネシウムです。

この両方を内服しておられる患者さんの中には、黒い尿や、黒い汗を出す方がおられます。

口腔内にかんしては

そしてパーキンソン病の患者さんの多くは嚥下障害をもっておられるか、嚥下のチカラが弱くなっています。

それで内服のくすりが口腔内に長時間残っている場合があります。

このレボドパと酸化マグネシウムが同時に口腔内に存在すると舌が黒くなる場合があります。

見た目的には、歯医者が馴染みのある黒毛舌と同じです。

このレボドパと酸化マグネシウムによる黒毛舌が、歯医者が中々、頭にない黒毛舌の原因です。

またこの酸化マグネシウムによりレボドパの効果が減少します。

ということで、

パーキンソン病の患者さんにおいては、舌が黒い時、パーキンソン病の薬を、いかにして内服しているか歯医者も気をつけなければなりません。