2019年06月30日

ボタン訓練

この訓練方法は、どんな訓練方法か一般の方は、想像がつかないことだとおもいます。

これは、服につけるボタンにデンタルフロスなどの30センチぐらいの糸を通して、そのボタンを前歯の前、上下くちびるの後ろに入れ、糸(デンタルフロス)を口の外にだします。

それで、上下のくちびるを思いっきり閉めて、それで、その糸(デンタルフロス)を引っ張ります。

そしたら、ボタンが口から出ないように上下のくちびるにチカラをかけてもらって、くちびるのチカラをつけてもらうものです。くちびるのまわりの口輪筋を鍛える訓練です。

この訓練をボタン訓練、またはボタンプル訓練と呼びます。

このボタン訓練は、30年以上前の歯科大学の授業では、学生相互実習でどこの歯科大学でも、行われていたとおもいます。

目的は、矯正歯科の出っ歯をなおすためです。

出っ歯の場合のおおくは、くちびるのチカラが弱い為、くちびるで上顎の前歯が前に出ようとするのを抑えられなくなっておきます(その他にも理由はありますが)。

従って、くちびるのチカラを鍛えることによって、前歯が前に出て出っ歯になるのに抵抗するチカラをつけようとするものです。

この矯正歯科のボタン訓練は、効果があるのか?

普通は、効果があるかどうかわかる前に、患者さんが飽きてしまいます。

このボタン訓練をする患者さんは、小学生なので、こんな単純な訓練3日続けるのが限度です。

つまり、実践的ではない、効果がないというこになります。

 

このボタン訓練は、最近では摂食嚥下障害の患者さんに行われています。

摂食嚥下障害のなかでは、食べている時、口から食べ物が口の外の出てくる患者さんにこのポタン訓練がおこなわれます。口から食べ物がこぼれる患者さんということです。

従って、高齢者に行われる場合がほとんどですので、だいの大人ですので、認知症が進んでいなければ、介護する人の手助けがあれば、ちゃんと継続して行うことが可能です。

では、このボタン訓練が摂食嚥下障害の患者さんに効果があるのか?

このことについて詳しく調べた歯医者がいます。

大阪大学歯学部の舘村卓歯科医師を中心としたグループです。

結果は

食べ物が口からこぼれる方には、だいたい二つのグループがあります。

①口のまわりの筋肉(口輪筋など)が動きにくい人、つまり顔面神経麻痺(顔面の神経を動かす筋肉が動きにくい)などの患者さんには、効果がまったくないということです。

②口の中、まわりの感覚が鈍っている人、つまり三叉神経麻痺(感覚を脳に伝える神経が鈍っている)の患者さんには、効果が期待できるということでした。

歯医者のなかでは、古典中の古典である矯正歯科のボタン訓練が、また脚光を浴びてきていますが、適応を注意深くみきわめて摂食嚥下障害の患者さんにおこなうことが重要です。