2019年06月04日

小児の重症虫歯の解明

むし歯に関して、歯科界の常識を変える研究の論文が、東北大学歯学部口腔生化学分野の歯科医師を中心とする高橋信博教授らのグループにより先月発表されました。

ビフィドバクテリウム菌という細菌は、世間では知られてない名前ですがビフィズス菌と言えばお分かりだとおもいます。

これはビフィズス菌つまりビフィドバクテリウム菌に関する研究です。

テレビのコマーシャルでも言っているようにビフィズス菌は、とてもカラダにいい菌です。

それを生きたまま腸に届ける食品が、このコマーシャルの主張しているところです。

そしてこのビフィズス菌は、腸内環境をよくします。

そのメカニズムは、腸内を酸性化することによります。

むし歯が重症な、つまり進んだむし歯を多く持った子どもの特徴は、口腔内にビフィズス菌が多く存在するということがわかっていました。

そこで、むし歯をひきおこす代表的な細菌であるミュータンス菌(ストレプトコッカス ミュータンス)と比較した研究がおこなわれました。

結果は、子供にとっては、ミュータンス菌よりも、ビフィズス菌の方が虫歯をひきおこす作用が強いということです。

ミュータンス菌は、糖をエサにして、主に乳酸をだしますが、ビフィズス菌は酢酸をだします。両方とも酸なので、歯を溶かしますが、酢酸の方が歯に深く浸透します。

フッ素は、ミュータンス菌が酸を出すのを抑制しますが、ビフィズス菌が、酸を出すことには、あまり抑制がききません。

ミュータンス菌は、ブドウ糖が大好きですが、ビフィズス菌はブドウ糖よりも乳糖(ラクトース)の方が、大好きです。

乳糖は、母乳や、牛乳に多く含まれています。子どもがすきな食べ物の多くに牛乳が含まれていますし、また、いつまで母乳を飲むかという問題も、今後、研究されるかもしれません。

いずれにしても、「歯医者って、虫歯について何にもわかっとらんがや。」とお叱りをうけてもしょうがない現状ですが、これからの歯医者の研究者の頑張りを期待します。