2019年04月07日

次の日本歯科医師会の運動

日本歯科医師会が、30年前に始めた8020運動(80歳で20本の歯を残そうという運動)が、ある程度の成功を治めたあとに取り組み始めたのが、このオーラルフレイルに関する運動です。

高齢者の些細な口の衰え、オーラルフレイルが、その後にフレイル(虚弱)、サルコペニア(筋肉量の減少)に進行して、またさらに要介護や死亡ということにつなる事実が、大規模な調査でわかっています。

東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢医師を中心とするグループの研究です。

飯島先生の口癖の一つにしっかりしたエビデンス(根拠)がなければ、説得力がないということを常々に言っておられて、これはそれに基づいた結果です。

まず、自立した高齢者の些細な口のおとろえとはなにか

①最近、むせるようになった。食べこぼすようになった。

②食欲がなくなってきた。

③柔らかいのもばかりたべるようになった。食べるものに偏りが出始めた

④口の中の乾燥、口臭

⑤歯が少ない。顎のチカラが弱い

⑥滑舌が悪くなった

です。

このうちの3つ以上に該当すると、そのわずか2年後にフレイルやサルコペニアになる確率は、そうでない人と比べると2倍になります。

また、さらにその2年後に、要介護になる確率と死亡の確率は、2倍となります。

ということで、オーラルフレイルは、かなり気に止めなければならないということに なります。

この飯島先生らの研究とは、全然関係ないですが、私が歯医者として、強くおもうことは

歯科医院に来院する高齢者は、自立した高齢者がほとんどです。

そしてとそのほぼすべての方は、あまり意識していませんが、ある一定の確率で起きている事実があります。

それは、歯医者は、歯を削るとき、必ず注水をします。しかし、口の中にその注水の水をためることができず、頻繁にわずかにたまった口の中の水を歯科用治療椅子を起こして口の外に出さないと、むせてしまう方がおられます。

そして、私がその口の中に水を貯めることができなくなっている事実(オーラルフレイル)を説明して、それの解決法を提案するようにしています。これが伝わる場合もありますが、伝わらない場合もあります。もう少しこのフレイルや、オーラルフレイルという言葉が、認知されるようになれば、伝わる確率も上がるのではないかとおもいます。

そういう観点からは、飯島先生の活動、運動はとても価値があることです。

実際に、歯科医院で、歯科治療中に水を口の中にためることができなくなれば、しばらくして、介護生活をされておられるとか、亡くなられたということは、よく聞きます。

フレイルそして、オーラルフレイルと言う言葉が、日常語になる日がはやくくれば、国民の健康にとても役に立つとおもいます。

そういう観点から、この言葉を理解してもらえるように熱心に活動されている飯島先生に国民栄誉賞をあげてほしいと思っています。