【重要】「治療すれば終わり」じゃない!子どものむし歯治療で本当に大切なこと
【重要】「治療すれば終わり」じゃない!子どものむし歯治療で本当に大切なこと
やまもと歯科・矯正歯科医院 院長の山本です。
「子どもの歯の治療」について、保護者の方からご相談をいただく中で、私たち歯科医師
と保護者の皆様との間に、少し認識のギャップがあると感じることがあります。
「むし歯になったら、歯医者さんで治してもらえば大丈夫」
もちろん、むし歯の治療をすることは大切です。しかし、**子どもの歯科治療で本当に大
切なのは、「治療」そのものよりも、その後の「むし歯にならないための土台作り」**な
のです。
「早く詰めて!」だけでは解決しない、子どものむし歯
当院では、お子さんが初めて来院された際、すぐに治療を始めず、基本的に次のようなス
テップを踏んでいます。
1. 1回目の来院: 診査(お口の中のチェック)、必要な場合は痛みを止めるなどの応
急処置
2. 2回目の来院: 現在のお口の状況と、今後どうするのが良いか(治療計画や予防ケ
ア)について、保護者の方としっかりお話しする時間
中には、「そんな話はいいから、早くむし歯に詰め物をして欲しい」とおっしゃる保護者
の方もおられます。お忙しい中、お子さんの歯を心配されているからこそのお気持ち、よ
く分かります。
しかし、残念ながら、詰め物をするだけの治療は、その場しのぎに過ぎないことが多いの
です。
むし歯治療の落とし穴:「原因」が残っていると再発します
むし歯になった**原因(磨き残し、食習慣、細菌など)を取り除かなければ、**残念なが
ら治療をしてもまたむし歯は再発します。これは、むし歯になりやすいお口の中の環境が
変わっていないからです。
詰め物や被せ物といった人工物自体はむし歯になりませんが、人工物とご自身の歯の境目
から、再びむし歯が発生してしまいます。そして、一度治療した部分のむし歯は、以前よ
りもさらに深く、歯の内部へと進行してしまう危険性が高いのです。
**「治療すれば終わり」ではありません。**大切なのは、むし歯になった根本の原因を見
つけ、日々のケアでその原因を取り除くことです。
家庭でのホームケアが「治療の前提」です
大人の歯科治療と違い、**お子さんの歯科治療は、ご家庭での徹底したホームケアを「前
提」**としています。
具体的には、治療後も、周囲のサポートとして
保護者の方による仕上げ磨き
フッ素入り歯磨き粉の使用
**フッ素洗口(うがい)**の実施
が不可欠です。
もし、こうしたホームケアを継続していただけない場合、当院で痛みをとる治療はできて
も、「近い将来またむし歯ができる」という結果を繰り返してしまうことになります。
目的は「詰め物」ではなく「お子さんの健康と幸せ」
だからこそ、当院では治療を始める前に、**「どんなホームケアを」「いつまでするのか
」**を明確にすることが、とても重要だと考えています。
院長である私の考えでは、
少なくとも小学校5年生くらいまでは、保護者の方による仕上げ磨き
親の手が離れるまでは、フッ素洗口(うがい)
の継続が必要だと考えています。この習慣がお子さんをむし歯から守り、将来の健康な歯
の土台を作るからです。
子どもの歯科治療の真の目的は、**「歯に詰め物をすること」**ではありません。
**「お子さんの健康と、それに続く幸せ」**です。
歯を守ることは、食べる楽しみ、話す自信、そして全身の健康を守ることにつながります
。
当院では、お子さんの健康を第一に考え、治療だけでなく、ご家庭で実践できる予防法に
ついても、しっかりとお話しさせていただきます。一緒に、お子さんの健やかな成長をサ
ポートしていきましょう。
ご不明な点やご不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。