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保育園・幼稚園・小学校の歯科検診で気になること〜「舌」と「受け口」の意外な関係〜

保育園・幼稚園・小学校の歯科検診で気になること〜「舌」と「受け口」の意外な関係〜 この時期は、保育園や幼稚園、小学校、そして地域の歯科検診があちこちで行われていますね。当院でも、多くの大切なお子さんたちの歯科検診を担当させていただいております。 検診のたびに、私たちが特に気になっていることがあります。それは、「受け口(反対咬合)」のお子さんの多くに、「舌小帯(ぜつしょうたい)」が短いお子さんが見られるということです。 舌小帯と受け口、そして飲み込み(嚥下)の関係 舌小帯とは、舌の裏側にあるひだのことです。これが短いと、舌を上手に動かすことが難しくなります。特に、舌の先端が上あご(口蓋)にしっかり触れることができず、舌が常に下あごや下あごの歯を押してしまう傾向が見られます。 舌が下あごや下あごの歯を押し続けると、成長段階にあるお子さんのあごの骨や歯並びに影響を与え、結果として**受け口(反対咬合)**になってしまうことがあるのです。 さらに重要なのは、舌が上あごにしっかりつかないということは、正常な「嚥下運動」(食べ物や飲み物を飲み込む動作)ができないということにつながります。健康な飲み込みは、舌が上あごにピタッとくっつき、波打つように動くことでスムーズに行われます。これができないと、口呼吸になりやすくなったり、食べ方が汚くなったり、将来的な健康にも影響を与える可能性が考えられます。 一生続く影響?現時点での私たちの取り組み 「もし舌の動きが改善されなければ、一生涯、正常な嚥下ができず、健康に問題が起きるのではないか?」 歯科医師として、私たちはそう想像します。しかし、ヒトの一生をずっと追跡し、これらが健康に及ぼす長期的な影響を明確に確認する研究は、非常に難しいため、残念ながらまだ確固たる論文は少ないのが現状です。 しかし、だからといって何もしないわけにはいきません。今現在、私たちが最も効果的だと考えているのは、**MFT(口腔筋機能療法)**などを用いて、舌の正しい動きをトレーニングし、舌の機能を改善させることです。これは、舌や口周りの筋肉を鍛えることで、舌を正しい位置に導き、正常な嚥下や呼吸、そして健全な歯並びへと促す治療法です。 お子さんの受け口や舌の動きで気になることがあれば、どうぞお気軽に当院にご相談ください。早期に適切な介入を行うことで、お子さんの健やかな成長をサポートできる可能性が高まります。