むし歯菌の代表はミュータンスレンサ球菌
むし歯は歯が溶けて、そのむし歯の穴が歯の神経までいって激痛がするという過程が典型的です。
では、どうして歯が溶けるのか?
それは虫歯の原因菌が酸を出して歯がとかされます。
そしてその代表的な細菌はミュータンスレンサ球菌です。歯医者は単にミュータンス菌と呼びます。
ミュータンス菌は、約100年前に顕微鏡で確認され発見されました。
このミュータンス菌は100年前に発生したわけではなく、昔から存在して発見されたのが100年前ということです。
そしてしばらくはこのミュータンス菌は見向きもされませんでしたが、その約40年後に虫歯が細菌感染であることが認識されはじめるようになり科学的に歯科学が発達する元になったような気がします。
虫歯が細菌感染によっておこるのなら、その細菌を取り除けばいいじゃないかと考えるのが当然ですが、これが中々難しいというのが今の歯科学の現状です。
なぜならば、ミュータンス菌はネバネバした物質を作り出し、そのネバネバの中にミュータンス菌は隠れ、そのネバネバが歯と強固にくっつき、水で洗ったり、唾液で洗ったり、歯みがきでこすったりしただけでは、歯の表面からは簡単には取り除けないからです(歯医者はこの物質を不溶性グルカンと呼んでいます)
(それで、そのネバネバを取り除くのにPMTCや3DSがあります、これは歯科医院でしかできないものです)
サングイスレンサ球菌
口腔内には、もう一つ代表的なレンサ球菌があります。それはサングイスレンサ球菌です。日本語名がないため難しい名前になってます。
これがどうして注目を集めているかというと口腔内におおく存在して、それが心内膜炎の原因菌になることがおおく(cnm陽性ミュータンス菌と同様に),また高齢者の誤嚥性肺炎にも深く関わっているからです。
化膿レンサ球菌
このレンサ球菌には日本語の名前がついているのでわかりやすいとおもいます。
これは、最近では溶連菌とほぼ同意語として使われています。
喉に多く存在します。
私この化膿レンサ球菌には個人的に深いかかわりがあります。
私が小学校1年生の時に風邪になり、その数週間後にその風邪をこじらせてカラダがむくみ腎臓病で農協病院に入院することになりました。
ということで、大学生になり細菌学などを学ぶ過程で、風邪をこじらせたのではなく溶連菌感染をおこし、薬を飲まなかったために、糸球体腎炎を起こしたのが分かりました。
秋から小学2年生になるまで学校にいかず、入院したり退院後家でテレビをみる生活となりました。(通信簿は元々オールアヒルさん、つまりオール2だったので親も私のカラダの心配だけしてました、勉強が遅れる心配はしてなかったです)
化膿レンサ球菌は大人も一定の割合の人が持っています。
最近は、人喰いバクテリアつまり劇症型溶血性レンサ球菌感染症の研究を大阪大学歯学部の先生がおこなっていて面白い研究でした。
肺炎球菌
レンサ球菌のひとつで主に鼻に存在します。
子どもにおおく存在します。
大人も10%ぐらいのひとがもっています。
北欧では20%近くの大人が持っているそうです。
鼻にあるのに肺炎球菌という名前です。
高齢者にはかなり大きな問題です。
カラダの調子が悪い時に鼻水が喉に流れて、高齢者はそれを気管や肺にはいることもあります。
それで肺炎がおこりやすくなります。