2020年05月17日

新型コロナウイルスがヒトの細胞に進入する入口は?

新型コロナウイルスは、人間の細胞の表面に存在するだけでは、あまり問題はおきません。

問題は、ヒトの細胞の中に入り込んで感染が成立します。

ただ、普通の状態ではバリアーがあるので新型コロナウイルスはヒトの細胞の中には、入り込めません。

ですので入口を作ることが必要になります。

これがヒトの細胞の表面にある、野球で言うならグローブみたいなもの(受容体)があり、そのグローブが新型コロナウイルスの表面から突き出ているボールを受け止めて

ボールとグローブが一体となって、その反応でバリアーが開き入口ができます。

このグローブのようなものは,歯科の専門用語では、ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)とよんでいます。

ACE2は喉にもありすし、肺、心臓、腎臓、唾液腺にもあります。そして歯科領域である舌や口腔粘膜にも存在します。

ですので、舌の表面をきれいにすることはとても大切となります。

 

歯周病は細菌感染です。歯周病の原因となる主役の細菌は内毒素(エンドトキシン)を放出します。

その反応のなかで、サイトカインができす。

サイトカインは、新型コロナ肺炎でも注目されていて、コントロールできないサイトカインで肺炎が進み(サイトカインストームで)死にいたると考えられています。

歯周病などの内毒素によってサイトカインがつくられないように歯磨きやフロスそして舌みがきは大切です。

 

武漢では、死亡した感染者の半数にウイルス性肺炎の後に細菌性肺炎が見られたという報告があります。また生存した患者さんでは、細菌による二次感染は1%だったということです。(イギリスの医学誌ランセットによる)

細菌性肺炎ということは、口腔内の細菌のコントロールが大切になります(肺と口腔は喉を通してつながっています)。

ですので、日常の歯周病治療において、アジスロマイシンという抗生物質を使うことに賛否が歯科界にありますが 、非常時ですので、歯周病治療に明らかに目に見える効果が期待できるアジスロマイシンの使用をすべきだという著名な歯科医師の基礎研究者もいます。

3週間ほど前にサンフランシスコの医者グループから

ライム病で長期間抗生物質を服用している700人の患者さんで新型コロナ になった人がいないので、細菌性肺炎を抑えることが重要なのではないかという提案がありました。

細菌性肺炎を減らすためには、口腔内をきれいにたもつことが大切です。

ということで歯医者の観点からみる新型コロナウイルス感染についてでした。