2020年03月22日

インフルエンザウイルスと歯周病菌など 

ノイラミニダーゼとは

インフルエンザウイルスの表面には2種類の酵素があります。

ひとつはノイラミニダーゼ(NA)です。

もうひとつはヘマグルチニン(HA)です。

今回はノイラミニダーゼ(NA)にスポットをあてます。

ノイラミニダーゼ(NA)の役割は、かなり大胆に誤解を恐れずに言うと、

感染してヒトの細胞内に入り込んだインフルエンザウイルスが隣の細胞に入り込む時に,

その細胞と細胞の境界をハサミで切って通り道を開けることです。

つまり、ノイラミニダーゼ(NA)はこのハサミの役割を果たす酵素です。

こうして、インフルエンザウイルスが他の細胞に移って感染を拡大してゆきます。

抗ウイルス薬であるタミフルなどは、このハサミを壊すための効果があります。

つまり、ノイラミニダーゼ(NA)を邪魔する作用があります。

それに対して

最近話題の抗ウイルス薬にアビガンというのがあります。中国が新型コロナウイルス感染の治療に効果があったと主張している抗ウイルス薬です。

これは、ヒトの細胞の中に入ったウイルスの本体であるリボ核酸(RNA)を複製するための酵素の邪魔をする役割があります。

つまりインフルエンザウイルスなどの増殖を邪魔する作用です。

しかし、アビガンは致命的な問題が発覚して、今は最後の切り札として温存されるにとどまっています。

その問題は、催奇形性などです。催奇形性とは、妊婦が服用すると子どもに奇形を起こすということです。

と言うことで、ここからが歯科にかんしての本題です。

細菌性ノイラミニダーゼ(NA)

口腔内には、歯周病原因菌や肺炎球菌もあり、その他いろいろな細菌が多く存在します。

そして口腔内の細菌は、ノイラミニダーゼ(NA)をつくります。細菌性NAと呼んでいます。

細菌性ノイラミニダーゼ(NA)は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)の作用を増強します。

つまりインフルエンザウイルスの感染を助長します。

特に歯垢の中の細菌の一部には、この作用が強いものがあります。

タミフルなどを服用中に

インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)は、タミフルの作用で抑制されますが、細菌性ノイラミニダーゼ(NA)により、また活動し始めます。つまりタミフルの効果がよわまります。

また、唾液にはインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの作用を弱める作用がありますが、細菌性ノイラミニダーゼ(NA)はその唾液の抗ウイルス作用を帳消しにする作用があります。

 

結論

インフルエンザウイルスに感染した時に、タミフルなどの抗ウイルス薬の効果を最高にする為には、常に口腔内を清潔に保っておくといいです。

また、口腔ケアは、疫学調査では特別養護老人ホームで、インフルエンザの予防に効果があったという研究があります。