2020年01月24日

歯科的にパーキンソン病の患者さんでよく問題になるのは摂食嚥下障害です。

多くのパーキンソン病の患者さんは程度の差はありますが摂食嚥下に問題を持っておられます。

どうしてそのような問題がおきるのか?

口腔内では

ひとつには舌などの口腔の筋肉が動きにくくなり、咀嚼しにくくなったり舌の筋肉が固くなって、食べ物を舌で口腔の奥に運びづらくなったりします。

舌が前後にしかうごきづらくなることもあります。

舌の奥が盛り上がって固くなり、食べ物がそれを乗り越えづらくなるなどのことが起きて、食べ物を口腔から咽頭(のど)に送りづらくなります。

これを最近では歯医者は口腔の巧緻性(こうちせい)の低下とよんでいます。

私、歯医者として舌の動きについて書かれた論文を読んで、この漢字を見たとき何て読むのか、意味は何なのかしばらく考えてしまいました。

今、歯医者業界では特に高齢者歯科学分野ではこの「巧緻性」という単語がはやっています。

では、口腔の天井である口蓋、そしてその奥の軟口蓋、口蓋帆(こうがいはん)の動きはパーキンソン病によってどんな影響をうけるか?

日本で、そして世界では口蓋帆の研究者(歯医者や、医師その他の生物系の研究者)があまりおらずまた、部位機能的に研究しづらいためあまり詳しくはわかっていません。何か影響している可能性はありますが。

また口腔から咽頭に入ったたべものは

パーキンソン病とは、脳の真ん中の方にある中脳の黒質(こくしつ)と呼ばれるところに問題が起きドパミンとよばれる脳の神経の伝達物質が減ることによっておきる病気です。

ドパミンが減れば、サブスタンスPとよばれる物質も減ります。

サブスタンスPとは、嚥下反射を起こさせ、また咳反射を起こさせることに関与している物質です。

喉頭、咽頭(のど)の感覚を伝えるのに関係したものがサブスタンスPです。

従ってパーキンソン病では、嚥下の反射に問題がおきやすきなります。

かなり嚥下の状態が低下します。また誤って気管に入った唾液、食べ物などを咳をすることによって排出する能力も低下します。

パーキンソン病の方が亡くなられる原因のおおくは、誤嚥性肺炎などの嚥下に関係したものです。

ということでパーキンソン病と歯科そして摂食嚥下の関係についてでした。

 

またパーキンソン病でなくて、パーキンソン病みたいな症状を持った病気があったりします。

進行性核上性麻痺(PSP)などです。

PSPはパーキンソン病と比べるとそんなにおおくないですが、たまたまかPSPの患者さんの歯科的なケアにかかわることがよくあります。

 

また薬の副作用などでパーキンソン病のような症状、パーキンソニズムや錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう)とよばれる症状などをおこすことがあります。患者さんの腕を持ってまげるとカクカクといった歯車のような動きをします。(歯医者は歯車現象と呼んでいます)

この場合も歯科的には、摂食嚥下に問題が起きます。

ということでパーキンソン病の患者さんは比較的おおいので歯科診療、特に訪問歯科診療ではパーキンソン病の患者さんにかなり高確率でお会いします、またパーキンソニズム、錐体外路症状を持っておられる方もおられます。

こういう場合、摂食嚥下に問題を持っておられることが多いですので歯科衛生士を中心とした口腔ケアをなどを行なって口の中を清潔にして誤嚥性肺炎のリスクをへらすことが重要です。