2020年01月02日

口腔機能低下症と餅

この時期になると、時々聞くのが、餅が喉につまる窒息事故です。

窒息事故による死亡事故は、毎年9000~10000人です。

そしてその9割が高齢者です。残りは小さい子どもが多いです。

この事故の根底にあるのは口腔機能低下症です。

口腔機能低下症とは、最近、歯科でよく取り上げられている話題です。

嚥下障害とまではいかないですが、口の機能つまり口腔機能がかなり低下していて、飲み込むチカラも低下している状態です。

この窒息事故でなくなられたほとんどの方が、口腔機能低下症か嚥下障害を持っておられるかただと思われます。

原因が不明の窒息を除けば、ほとんどが食品による窒息です。

老人施設で、どんな方が窒息事故を起こしたか研究した人(歯科医師ではない研究者)もいます。

結果は、

①奥歯に噛み合わせがない方(歯医者的な言い方をすれば、咬合の支持がない方)

奥歯がなければ、食品をすりつぶすことはできません。前歯で、噛み切ることはできますが

奥歯に入れ歯がありその入れ歯でちゃんと噛めれば、咬合支持があると言うことになります。

自分の歯または、入れ歯がないので適切なドロドロな食べものかたさ、大きさにできないので、適切な嚥下ができない状態です。

②食事は自分でできるけれど、認知症などで生活機能が低下している。

口の中に入れるひとくち量が多かったり、隣に座っている人の口腔機能が違う人の食べものを食べるなどによります。

最近テレビで話題になった早食い競争で亡くなったひとも究極の一口量が多すぎて窒息死したことになります

③嚥下障害があるひと

以上のような結果となったそうです。

高齢者の次に多いのが子どもの窒息事故です。

東京都が以前、子どもの窒息のヒヤリハットについて発表した事があります。

2つヤマがあり、ひとつめは、月齢8ヶ月でした。次は月齢12ヶ月でした。

月齢8ヶ月は、一般的には、離乳中期です。

子どもの口腔機能に合わない食べもので窒息事故となっています。かたすぎるクッキーやせんべいなどが原因となったということです。

月齢12ヶ月の子どもの窒息事故は、一口量というか口の中に詰めすぎが原因となったということです。

 

ということで、この時期は、餅による窒息事故に気をつけましょう。

口腔機能に合った食品を食べましょう。

歯医者としての私の個人的意見:咬合の支持がなければ、口腔機能低下症の高齢者には餅はムリなのではないかと思います。