2019年12月15日

歯周病は糖尿病を悪化させる

この糖尿病と歯周病は、一見何の関係もないようにみえますが、最近、熱心に糖尿病の勉強をしている内科医の多くが、糖尿病を患っている患者さんに歯科医院を受診して歯周病の治療を受けることをすすめています。

糖尿病の程度をみる血液検査にヘモグロビンA1C(エーワンシー)があります。

この値が高いと糖尿病が重いと判定さてます。

BMIが30以下の糖尿病患者(普通に太った人)さんにとっては、歯周病の治療をすると糖尿病も改善することがわかっています。

ヘモグロビンA1cでいうと平均0.4低下して改善します。

糖尿病の薬1剤分ぐらい、良くなるという内科医もいます。

では、BMIが30以上(すごく太った)のひとは?

歯周病の治療をしても、糖尿病は改善しません。しかし、糖尿病によって歯周病は、かなり悪化します。

結論的には、糖尿病の患者さんは、歯周病の治療をした方がいいということになります。

では、歯周病はどうして糖尿病に影響を与えるかについて。

糖尿病は、血液中の糖、つまり血糖の値が高くなる病気です。

血糖は血管を流れる金平糖のようなもので、金平糖のとがった部分が血管を傷めていきます。

私が歯科学生の時は、内科の助教授がよく糖尿病の害は、微小血管障害だと言っておられました。

その微小血管障害により神経症や網膜症、腎症の合併症がおきると説明されていました。

また、微小血管のみならず、大きな血管にとってもよくありません。動脈硬化がおきて、

これにより心筋梗塞や色々な血管系の病気がおきます。

この血液中の血糖を低くする、つまり血液中の糖をインスリンの働きで筋肉や肝臓 、脂肪に移行させるのが、膵臓のβ細胞からつくられるインスリンです。

2型糖尿病のインスリン抵抗性の糖尿病は、肥満な方に多くおきます。

内臓脂肪よりインスリンの効果を邪魔する物質が出されてインスリンの邪魔をします。

これが、続くとすい臓のβ細胞も弱ってしまいます。

歯周病で歯のまわりの歯肉では、歯周病原菌に刺激をうけて、免疫反応がおきます。

それにより内毒素がでてきます。この内毒素がからだ中にいきます。

この内毒素を排除しようとした結果、内臓脂肪組織からインスリンの作用を邪魔する物質と同じものがつくられ放出されます。

つまりインスリン抵抗性の糖尿病と同じメカニズムが歯周病によりおきてしまいます。

インスリン

インスリンは、口から食事をす場合、つまり経口摂取の際に小腸でその栄養を吸収する折りに、すい臓のβ細胞に信号をおくる物質、消化管ホルモンが作られ、その物質により信号を受けたβ細胞はインスリンをだします。

(中心静脈栄養などの)血管に直接栄養を送る場合には、このβ細胞を刺激する消化管ホルモンはつくられません。

この消化管ホルモンにより作られるインスリン量は全体の3分の2です。

残りの3分の1は、すい臓が血中の糖の濃度を感知してだだれるインスリンです。

従って、口から食べるということは、とても大切だということになります。

歯医者は口から食べるという観点と、歯周病の観点からと両方の意味で患者さんの健康に寄与しなければならないということになります。