2019年08月26日

昔 むし歯の洪水時代に、はやった虫歯の進行止めの塗り薬

こんにちは、富山県高岡市の歯医者、やまもと歯科医院の院長の山本です。

小さい綿に少しこの虫歯の進行止めの液をつけて、それをむし歯になっている歯の部分につけると虫歯の進行が抑制される薬があります。この薬の名前を歯医者や、歯科衛生士は「サホライド」と呼んでいます。正式な名称は「38%フッ化ジアミン銀」です。

38%の銀ということは、すごい抗菌力。55000ppmFのフッ素で、効果抜群です。歯のなかに染み込み蛋白銀を形成します。

これは1970年に大阪大学歯学部の山賀教授によって開発されました。

このサホライドは、我々の世代以上の歯医者は、昔よくつかいました。

なんと言っても、虫歯に塗るだけで効果がある液ですので、特に歯科治療に来ている非協力的な子ども(暴れる子ども)に使用されました。

1980年代の終わり頃に歯医者になった私は、先輩の歯医者から、暴れる子どもには、通常通りにセメントを詰めようとすれば、だ液が入るので、そうすればわずかな隙間ができたり、はずれやすくなったりしてまた虫歯が再発するので、歯科用セメントをつめるよりは、サホライドを塗った方が虫歯を抑えることができて予後がいいと教えてもらいました。

そしてこの治療法が1970と80年代の子どもの歯科治療の基本となっていました。

とても、効果がある方法なのですが、大きな欠点がひとつありました。

それは、虫歯の歯の成分と反応して、歯が黒くなるということでした。

そして、当時の日本中の子どもの口の中には、黒い部分がありました。

そして1980年代の終わりに、私の友人のアメリカ人に「日本人の子どもはどうして、歯が黒いのか?」と尋ねられました。アメリカでは、むし歯を抑える為といえども、あり得ない治療法だという感覚でした。

そしてこれが1990年代の日本では、段々とアメリカと同じとなり、どれだけむし歯を抑えてもあり得ない治療となりました。

子どもの歯の仕上げ磨きをまるっきりしないお母さんも、やはり子どものむし歯に進行止めの薬で黒くなることは絶対にして欲しくないと言われる時代となりました。

私自身は、サホライドを自分の子どもの歯にはガッツリと塗っていました。

高岡市の急患医療センターに私の子どもが行った時、サホライドで黒くなった歯をみた小児科医が、歯医者の子どもなのに虫歯があるといわれ

家で笑い話となったこともありました。

ということで、現在では、子どものむし歯の進行止めとしてこのサホライドが塗られることは以前ほどおおくはないです。(やまもと歯科医院では、お母さんの承諾が得られれば塗ります)

私個人の意見としては、暴れて歯科治療がなかなか出来ない子ども、仕上げ磨きをしてもらえない子どもには、最適な方法だとは思いますが

 

しかし現在では、このサホライドが世界に広がりつつあるという話をききました。

日本でもまたこのサホライドのリバイバルが始まりました

今回は、小児ではなく、要介護高齢者や、認知症の患者さんで、通常の歯科治療が困難な患者さんです。

こんなところで、サホライドがブレークするとは、昔は考えなかったですが、社会の変化とともにとても使いがってがいいむし歯の治療薬として使われています。