2019年08月22日

薬の副作用による歯茎の腫れ

①抗てんかん薬によるもの

我々の世代の歯医者が、歯科大学生時代の歯周病学の最初の方に習い、超基本事項の一つに歯茎が異常に腫れる、盛り上がる原因に、抗てんかん薬ダイランチンの副作用による歯肉増殖があります。

しかし、我々歯医者は、ダイランチンという単語は、この歯周病学の授業でしか聞きません。

実際にダイランチンを飲んで歯肉が腫れた方にお会いしたことはありません。

でも、実際には、30年ぐらい前は、歯肉が異常に腫れている人、時には、歯肉が腫れて歯をおおいかぶし、口の中には歯の一部がやっとしか見えない方が、時々おられました。

その理由は、ダイランチンは日本で売られている薬ではなく、アメリカで売られているくすりだからです。

日本では、おなじような成分のくすりが、アレビアチンなどという名前で存在します。

ということで、フェニトインの薬、つまりアレビアチンにより歯肉増殖がおきます。

実際には、高齢者が抗てんかん薬のアレビアチンを飲んでも、異常な歯肉増殖することはなく、若年者においてしか私は見たことがありません。だいたいは、20歳前後の方です。

しかし、最近では若年者においては、この種の薬を飲む方が激減したためか、(血中濃度と投与量があまり相関しない為、使い難いので、若年者には使わなくなったと聞いています)ここ30年近くは、見たことはありません。

 

②高血圧の治療薬のカルシウム拮抗薬によるもの

現在は、このカルシウム拮抗薬によるものが一番おおいです。

以前は、問題ない歯茎であったけれど、カルシウム拮抗薬を飲み始めてしばらくたつと歯茎が腫れはじめるということがあります。

すべての方におきるというわけでもありません。

これを防ぐこともある程度可能です。

歯の表面の汚れを丁寧に取ることによってある程度はおさえることはできます。

③シクロスポリンによるもの

この薬は免疫を抑制するもので、腎臓を移植した人や、自己免疫疾患の方がのんでおられます。

これもかなり、歯磨きをしなければならなくなります。

これに関しては、私の印象では、ほぼすべての方が、多かれ少なかれ歯茎がはれているように思います。

 

蛇足

タイレノール

ダイランチンは、アメリカ人は知っているけど、日本人の歯医者は、歯科大学の教科書でしか知らないくすりです。

タイレノールもアメリカ人ならだれでも知っている薬ですが、日本人がほぼ知らない薬です。

日本でも、20年ぐらい前に大きなテレビコマーシャルをしてタイレノールの名前を叫んでいましたが、コケたと言われています。(現在もうられてますが)

この成分は、歯科医院で出される薬のカロナールの成分でアセトアミノフェンです。

(アメリカ人は歯科医院に行く前にタイレノールをのんで、歯科医院ではオピオイドをもらっているのでしょうか)

グリコ森永事件が起きる2年前にアメリカのドラッグストアでこの薬のパッケージをいじって中にシアン化合物を入れて死亡者を出したことがあります。

やり方が同じであることから、グリコ森永事件の犯人は、このことをヒントにしているのではないかと考えられています。