2019年08月16日

このお盆休みを利用して本を読みました。

その本は、「明日から役立つ 認知症のかんたん診断と治療」著者は誠弘会 池袋病院 脳神経外科部長 平川亘 医師です。

この本は、中を読んでいるとプライマリケア医師を対象に書かれたものらしいですが、何故か歯医者の私が興味をそそられてアマゾンでかいました。

 

先月、某国立大学の歯科で摂食嚥下分野の准教授をされている歯科医師の講演会に参加しました。その時、受講者ひとりひとりに質問していくかたちのとてもユニークな講演会でその中で私への質問がこの認知症にかんする質問でした。

それは

抗認知症薬は、日本では大きく分けて4種類のものが認可されています。

そのうちの3つは脳内の物質であるアセチルコリンを増やそうとする薬です。

その代表がアリセプトという薬です。

もうひとつの脳内の物質はドパミン(その他にもあります)です。

ドパミンが少なくなる病気がパーキンソン病です。パーキンソン病になれば、摂食嚥下障害がおきやすくなります。

また、嚥下反射、咳反射をおこす物質であるサブスタンスPは、ドパミンが減れば同時に減ります。その点でも摂食嚥下障害をおこしやすくなります。

 

ということで、この准教授の歯科医師先生の私への質問は

「認知症患者さんで、アリセプトなどの抗認知症薬が多すぎるとどうなるでしょうか?」

でした。

アセチルコリンとドパミンはあるバランスを持って脳内に存在しますので、過剰なアセチルコリンはドパミンをへらします。

つまり、ドパミンがすくなければ、摂食嚥下障害や、パーキンソン病みたいな症状が出やすくなるということで、質問自体は、摂食嚥下の勉強をしている歯科医師ならだれでも知っている簡単な質問でした。

つまり、過剰な抗認知症薬が摂食嚥下機能を低下させたり、摂食嚥下障害の原因になることがある可能性について話をされていました。(講演会でのこの話題の話は2分ぐらいでしたが)

 

「明日から役立つ 認知症のかんたん診断と治療」著者は誠弘会 池袋病院 脳神経外科部長 平川亘 医師は、この准教授の歯科医師先生の話の延長線上のことが書かれていました。

そもそも、認知症を専門にしている医師は、どう考えているのか知りたくてこの本を読みました。

面白かったのは、この平川亘医師は、認知症の治療の医師としては、主流派ではないかもしれませんが

この過剰な抗認知症薬について、そしてその使い方について、時には過激なことがたくさんかかれていました。

摂食嚥下機能についてより、歩行や活動性、QOL(生活の質、つまり患者さんのトータルな幸せ)について重きが置かれていましたが

ということで、面白い本でした。

最後に

歯科的な問題としては、認知症の薬を増量する時、薬の副作用で患者さんが吐き気がして、その吐き気、嘔吐の為、入れ歯をなくすることがあります。