2019年08月07日

前頭側頭型認知症

これまでは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症についてでした。四大認知症の最後は、前頭側頭型認知症と歯科的、食支援・摂食嚥下的な関係についてです。

前頭側頭型認知症

これは、名前の通り前頭葉と側頭葉に問題がおきて(萎縮して)認知症になるものです。

では、前頭葉はどんな役割があるところか?

前頭葉の前の方に前頭連合野(前頭前野)というところがあります。

この前頭連合野(前頭前野)は思考、判断、計画、企画、注意、行動や感情の抑制、をするところです。

つまり、この前頭連合野が、もっとも、他の哺乳類と違う決定的な、ヒトがヒトらしい行動をする元となるところです。

このヒトの前頭連合野は、体積的に大脳の30%ぐらいです。

猿の前頭連合野は、大脳の約10%です。

犬は、約7%です。

ではこの、前頭側頭型認知症の特徴は?

以前とは、人格が変わるということです。

そして、何事につけても,我慢ができなくなります。

前頭側頭型認知症の症状

ちょっとしたことで直ぐ怒るようになる 暴言、暴力がおこることも

万引き、 痴漢などの行為を平気でする

他人の言うことを聞かず勝手、我がままな行為をする

毎日同じ時間に、同じ行動をしようとするしてそれに固執する

どんなにカラダや口腔内に問題があっても歯科治療などを強く拒否する(認知症のテストである改訂長谷川式簡易知能評価スケールを行おうとすると、なんでこんなもんせんならんがかと言って怒る)

風呂に入らない、歯を磨かない、かたずけない、収集癖(ゴミ屋敷問題には、この前頭側頭型認知症の人がまぎれているといわれています)

ひどいかきこみ食べ、過食、すさまじい偏食(甘いものが好き)

自身が病気だと言う認識がない

です。

以上が、一般的な症状ですが、

 

歯科、食支援・摂食嚥下的な問題にしぼると

嚥下機能は、当初は、問題ありません、しかし10年ぐらいすると寝たっきりになり、その頃になると誤嚥することが多くなります。

口腔の衛生に関しては、初期から歯磨きや、歯の手入れはしなくなりますので、口の中は、そのうち虫歯が多くなり、歯周病も悪化します。

アルツハイマー型認知症などの初期からみられる視空間認知機能障害はみられず、レビー小体型認知症にみられる幻視もありません。

嚥下機能には、かなり進行するまで、問題がないことが多いです

食事時間でも、食べたくなけれたべませんし、また逆に、前頭葉による抑制が、外れていますので、食べたいと思うと、とことん食べる、勢いよく口の中に、食べ散らかしながら凄いペースで口の中に食べ物を入れ込みます。(このことが、前頭側頭型認知症という診断の根拠となったりします。)

従って、嚥下機能的には問題がなくても、むせたり、窒息の危険が生じます。

食べ物の好みもかわります。今まで好きだった食べ物にまったく興味がなくなり、甘い物が好きになります。そして度を越して特定の食べ物だけしか食べなくなったりします。

また、自身が 持っている時刻表的な感覚で、食事の時刻がおくれると怒ったりします。

中期になると、 目にしたものを食べ物でなくても口の中に入れようとしたりする人もいます。歯医者的な言葉では、口唇傾向がでてきたと言います。

食事に興味がなくなると、食事時間中にその場から立ち去り、自分のしたい事、興味がある事をしだします。

ということで、前頭側頭型認知症は、サポートがかなり難しい認知症です。家族、歯医者や、周りの人は大きな問題が生じなければ、患者さんの行動を受けれて、おおらかな気持ちでケアを行うことが大切となります。