2019年06月03日

摂食嚥下の講演会

昨日、東京の某国立大学歯学部に実習付き研修会に参加してきました。

内容は高齢者歯科学の一分野で、摂食嚥下にかんすることでした。

午前中は、基礎歯科学に関することでした。

我々歯医者が、大学時代の基礎歯科学で特に解剖学で耳にタコができるぐらい聞く話しもありました。そしで、その総復習という側面もありました。

その一部は、ちょっと難しい話になりますが、

食べる為には、顎を動かすことが必要です。その為には下顎に付いた筋肉が収縮して顎を閉じる、そして、さらに強い筋肉の収縮力で食べ物を砕くことが必要です。

この時に使われる筋肉が咬筋に代表される咀嚼筋群です。

 

この咀嚼筋を動かす神経が三叉神経(さんさしんけい)といわれるものです。そしてこの筋肉を動かす命令は

大脳→三叉神経核→咀嚼筋

とつたわります。

→(矢じるし)は神経をあらわします。

つまりこの命令が伝わるのには、2つの神経(矢じるしが2つあります)が必要です。

大脳(大脳皮質)からでた神経が三叉神経核で、違う矢じるし(→)の神経に乗り換えます。この2つ目の矢じるし(→)の神経を三叉神経といいます。

大脳は左右に分かれています。

左右に分かれている大脳は左右の大脳の中央にある脳幹に続きます。その脳幹の中に三叉神経核といわれるものがあります。

脳梗塞などの脳血管障害で一方の大脳で神経の命令の伝達が伝わらなくなったら、その片方の咀嚼筋(神経は交差するのでその反対側の筋肉)が動かなくなるかというと、咀嚼筋の場合は、そうではなくもう一方の大脳(梗塞を起こしてない側)からの命令が伝わるようになっています。

航空機が墜落しないために備えられているフェイルセーフ機構のようなものです。

咀嚼できなくなれば、ヒトは近いうちに死んでしまうからです。また、嚥下に関する喉の筋肉もこのフェイルセーフ機構がはたらきます。

フェイルセーフ機構を持たない筋肉もあります。舌の動かす神経である舌下神経(ぜっかしんけい)や、唇や頰を動かす顔面神経は、このフェイルセーフ機構がなく、片方(の該当する部分)に脳梗塞がおきると片方の筋肉が動かなくなります。

ということで、最近は歯科学で勉強する、そして歯学部の研究者が行なっている学問が、直接、臨床にいかせる環境となり臨床的な最新のテクニックと知識とともに、講演され、実習する時代となっています。