2019年02月23日

歯医者が恐れる高齢者の窒息

最近、歯科分野で、高齢者歯科の研究が盛んに行われています。

世界のトップを走る日本の超高齢社会、そして2025年問題で、団塊の世代が本格的に医療、介護ニーズが高くなると予想されています。

そんな中、歯医者もこの2025年問題の解決に、お役にたてる分野のひとつが、

高齢者の窒息の問題です。

毎年、4000人ぐらいの人が、窒息で亡くなられています。

その内訳は、小さい子供と、高齢者がほとんどです。

ある歯医者の研究によると

介護老人福祉施設での調査があります。

対象は、437人の平均年齢,約85歳の高齢者です。

この中で、3年間で、窒息をおこした高齢者は、51人でした。

そして、その窒息のリスク因子を分析しました。

その結果、3つの大きなリスク因子がありました。

①臼歯の部分に噛み合わせがない。(歯医者的には、噛み合わせのキーとなる小臼歯も大臼歯もないということです)

②認知機能が低下している(歯医者としては、全般的な摂食嚥下機能の低下の問題があります)

③自分で食事をしている(自食:じしょく)

以上の3つです。

これは、歯医者でなくても、また歯医者的な発想でなくても、考えると、至極当然のことと

おもわれます。

窒息による死亡の4分の1は、餅によるものですが、

その餅を例にあげると、臼歯がなければ、餅を噛んで小さくすることはできないですので、口の中に入れた餅を丸呑みになってしまいます。

また、認知機能が低下している、または、認知症であれば、口の中に入れる一口量がうまく調整できなかったり、口の中にいれるペースに問題があったり、その他、摂食嚥下機能に関するいろんな問題があり、これも窒息の原因になります。

また自食していれば、なかなか、目が届かなくなります。

歯医者的発想ではなく、普通に考えて、当然、窒息しやすくなるであろうなぁということがらです。

歯医者的な発想では

臼歯、奥歯が自分の歯で、噛み合わせがある場合と、

臼歯、奥歯が入れ歯で噛み合わせがある場合、

そしてまったく噛み合わせがなく入れ歯も入れてない場合

の3つについても分析されています。

大方の予想通り、

臼歯も入れ歯もなければ、窒息する方は多くなります。また臼歯がなく入れ歯を入れると、その窒息がかなり減ります。

そして、入れ歯ではなく自分の歯で噛めれば、さらに窒息が減ります。

ということで、高齢者の窒息に関しては、歯医者がかかわる、臼歯、奥歯の噛み合わせが、キーポイントとなっていることがわかっています。