歯医者と子どもの権利
こんにちは、富山県高岡市の歯医者、やまもと歯科医院の院長の山本です。
以前、歯科に関する話題で、このブログでとりあげた、歯科大学病院でもよく入院していることが多い口唇口蓋裂の赤ちゃんが生きるための治療を親が拒否したため、亡くなったというのがあります。
これは、私からみれば、親と子の関係の問題ではなく人権問題です。
生まれたばかりの赤ちゃんには、健康で文化的な最低限度の生活をする権利がないのか?
生まれたばかりの赤ちゃんは、日本国憲法で、すべての国民に認められている生存権がないのか?普通の歯医者には、その辺の法的な理屈はわかりませんが。
こういう疑問を持っているのは法を学んだことがない歯医者の私だけなのでしょうか?
30年ぐらい前、アメリカでは、児童虐待が大きな問題となっていました。
アメリカのCNNやABCの報道番組では、いつも、話題になっていました。
そして、その頃(私が歯医者になりたてのころ)アメリカ人からよく受けた質問に、日本には、児童虐待の問題はないのか?テレビにも話題にならなし、普通の人の日常会話でも、話題に上ったことがないとアメリカ人は当時言っていました。
私も、歯科大学でも聞いたことがなかったですし、全然知識がなかったので、「ないのではないか」と答えていましたが、実は、親子間の問題として、家庭の問題としてかたずけられていたというだけでした。
最近では、日本歯科医師会でも、地方の歯科医師会でも、歯科に関係する行政機関でも、児童虐待が疑われる場合は、適切な対処をするように、一般の歯医者にも、通達があります。
社会も変化してきています。
30年ぐらい前と比べれば、問題として認識されるようにはなっていますが、アメリカ、イギリスなどと比べれば、日本は、30年遅れているということになります。(25年前、イギリスで、子どもの歯科治療のため、暴れる子どもを押さえつけ足を叩いた父親が逮捕されたこともありました)
最近日本では、虐待やネグレクトで亡くなる子どもの話題がおおいです。
アメリカのように、日本でも子どもの権利が確立されるには、あと10年、20年かかるのでしょうか?
ただ、アメリカには、アメリカなりの問題もありますが。(治療費を持っていなけてば、日本では、いきれる病気でも、治療を受けれず死んでいかなければならいという問題があります)
一般の歯医者としては、
歯医者にとって、周りの人、親などが、子どもに歯の仕上げ磨きを、しない場合は、単に歯科に対する知識がなくて行わない場合と、ネグレクトの場合があると考えています。ネグレクトまでとはいわないまでも、ネグレクト傾向がある。また、歯科の知識がないプラス、ネグレクト傾向の場合があると考えています。
歯科医院で行えるのは、歯の仕上げ磨きをしなければ、結果的には、痛みをとるだけの治療となってしまいます。仕上げ磨きをしなければ、詰め物をしても、その周りからまた、虫歯が再発します。
仕上げ磨きをまったくしなければ、結果がわかっています。
いつかの時点で、子どもは、激しい歯の痛みに耐えなければならない時がきて、それがかなりの期間つづくことになります。
私、歯医者としては、子どもは、仕上げ磨きをしてもらう権利がある思っています。
最近、日本で大きな問題になっている児童虐待、ネグレクト、歯科からも、何か貢献できることがあればと、思っています。