2019年01月11日

歯医者の必需品

こんにちは、富山県高岡市の歯医者、やまもと歯科医院の院長の山本です。

アドレナリンという単語は、日本では歯医者、医師などの医療関係者しか、主に使われないことばですが、アメリカ人は、ほぼすべての国民が日常会話につかうことばです。

英語では、興奮するときに、アドレナリン がからだをはしるといいます。英語では、アドレナリンは興奮させる作用があるととらえられています。

もともと、アドレナリンとは、副腎髄質からでるホルモンです。

 

歯科でのアドレナリンとは

歯医者には、なくてはならないアドレナリン。これはいつ歯医者で必要かというと、局所麻酔のときです。多くの歯科局所麻酔液の中に、添加されて入っています。

歯科の局所麻酔液にはいっているアドレナリンの濃度は8万分の1です。

量的にはそんなにおおくはありません。

ではどうして歯科の局所麻酔液の中にアドレナリンが入っているかというと、アドレナリンには、歯茎などの血管を収縮させる働きがあるため、血管が収縮していれば、麻酔の効果の成分が、その歯ぐきの血管に長く存在して、麻酔の効果が長くつづいたり、増強する効果を期待しています。

しかし、歯科医院での治療で、局所麻酔のアドレナリンには、好ましくない作用もあります。そのアドレナリンの作用とは、脈を早くさせる効果です。

局所麻酔薬の1本分、つまり1カートリッジは、1.8mlです。そのなかに、アドレナリンは8万分の1ですので、22.5μgになります。

管理されている循環器疾患の場合は、おおざっぱな目安として、40μgまで使えるといわれています(患者さん個々の病状や、その他の条件によってかなりちがいますが)

ですので、安心して使用できる歯科用局所麻酔のカートリッジは、2本弱ということになります。

アドレナリンには、頻脈性不整脈のリスクもあります。

歯科治療において、アドレナリンによる循環器に影響をあたえる不都合を避けなければならない患者さんには、フェリプレッシン(アドレナリンの代わりにつかわれるもの)というものがつかわれています。

しかし、このフェリプレッシンも、心臓の動脈(冠動脈)を収縮させる作用がり、心筋への酸素の供給を減らすので、東京歯科大学の歯科麻酔学の教授によると、うさぎにフェリプレッシンをある程度の量をあたえたら、心臓が白くなったと言っておられたのが印象的です。

従って、万能な歯科局所麻酔薬はありませんので、患者さん個々の状態にあわせて、歯医者としては、引き出しを多く持って、いろいろな状況にあわせて、対応することが必要となります。

 

きれいな型取りのために

以前、アドレナリンが歯科独特 な目的でつかわれたものに、歯の型を取る前に、歯ぐきからの出血を抑える為に使用されたこともありました。

現在でも、時々この目的で使用はされていますが、昔ほど頻繁に使用する歯医者は今は、少ない気がします。

 

歯科医院での、もう一つのアドレナリンの役割

アドレナリンは、アナフィラキシーショックの特効薬でもあります。ほとんどすべての歯科医院では、アナフィラキシーに対応する為の、アドレナリンを持っていることだと思います。

エピペン(アドレナリンが入った医療関係者でなく一般人でも、山に行って蜂に刺されたときなどにつかえるもの)と言う自己注射器をもっている歯科医院もおおいです。

アナフィラキシーショックの際は、アドレナリンを筋肉に 注射する必要があります。

血管にはいってしまうと 脈拍が異常つまり心臓が異常をおこします。

 

以上、歯科医院でのアドレナリンについてでした。

一昨日のNHKで放送されていた志の輔の「ガッテン」では、歯科的側面からではなく、長生きする為のアドレナリンについて放送されていました。

歯医者的な観点だけでなく、日本でも健康の指標としてアドレナリンが考えられつつあるようです。