2018年11月23日

歯が原因でない歯痛

こんにちは、富山県高岡市の歯医者、やまもと歯科医院の院長の山本です。

歯痛とは、歯が痛いということです。

これは、単純明快で、当たり前のことだと一般的には思われています。

そして、どこがおかしいのか、問題なのか、まったくわからないことだろうとおもいます。

実は、歯痛を訴えて来院する患者さんの、3%が歯が悪いのではない、つまり歯が原因でない痛みといわれています。これを歯医者用語では、非歯原性歯痛(ひしげんせいしつうと読みます、歯が原因ではない歯痛)です。

この非歯原性歯痛は、原因を元に8つに分類されています。

その中で、歯科医院に来院される方が、一番多いのは筋・筋膜性歯痛(きん・きんまくせいしつう)と呼ばれるものです。

筋・筋膜性歯痛は、筋肉や、筋膜が原因で起こる痛みです。歯痛として感じられるのは、咀嚼筋(そしゃくきんと読みます、食べる時に顎を動かす筋肉)や首の筋肉、筋膜です。

咀嚼筋でも、咬筋(こうきんと読みます、下顎にがっつりついている筋肉)と側頭筋(そくとうきんと読みます、耳の近くの側頭骨といわれる頭蓋骨についている筋肉)が中心となります。

この、咬筋や、側頭筋そして首の筋肉は、歯から離れています。離れてはいますが、その離れた歯が痛いと感じます。この痛みの原因から少し離れたところが痛い、痛みを感じることを関連痛とよびます。(関連痛は、この歯痛に限ったことではなく、カラダのいろいろなところにおきる可能性があります。)

 

診断

では、具体的に、筋・筋膜性歯痛かどうか知る方法は?

まずは、咀嚼筋を指で5秒間、押してみて(圧迫して)痛み、歯痛が誘発される部位があるか探っていきます。そういう圧迫して歯痛がおきる地点(歯医者用語では、トリガーポイントとよびます)があれば、筋・筋膜性歯痛と診断されます。

 

治療法

まず、治療の第一歩は、患者さんに、歯が原因ではなく筋肉、筋膜が原因でおきている痛み歯痛であることを理解してもらうことからはじまります(時として、これがかなり難しいのですが)

その上で、筋肉筋膜の疲労の原因になっている習慣などがあれば、それを避けていただくことが大切です。この習慣は、患者さん自身は、無意識で行なっているものが多いですので、問診や、歯の状態を手掛かりに突き止めることもたいせつです。

最近では、パソコンに長時間向き合うことにより筋肉筋膜にストレスをかけ、それによって筋筋膜性歯痛がおこることもあります。

トリガーポイントに麻酔薬や抗炎症剤を注射することにより、改善することもあります。

飲み薬としては、通常の痛み止めや、ときには、筋弛緩薬が使用されます。

また理学療法的な治療も有効です。ホットパックなどを貼ったりして血行をよくしたり、もんだりします。また、マイルドなストレッチも効果があります。