2018年02月18日

食べ物を食べたり、冷たいものをのんだり、歯磨きをするとき、息をスースーした時などに歯がしみると、多くの方が、まず最初に考えるのは、むし歯ではないかということです。この症状とプラスして、舌や頰の粘膜で歯に穴があいていたり、指、指の爪、つまようじなどで歯に穴があいているのが、確認できれば、ほとんどの場合はむし歯です。

では、歯がしみるけれども歯に穴があいていない場合は?

歯科医師がまず疑うのは、やはり虫歯です。患者さん自身で穴が分かるむし歯は、初期のむし歯ではなく、歯科医師にとっては、だいぶ大きな虫歯です。

歯と歯の間は、むし歯になりやすいです。食べ物が歯と歯の間にはいると取れにくくなりますし、歯磨きでも、歯と歯の間に歯ブラシのさきが完全に届くようにみがくのは不可能です(フロスをすればとどきますが)。この歯と歯の間にできた虫歯は、大きくなって噛み合わせる面まですすんで穴があけばわかりますが、そうでなければ、歯科医師が肉眼的にみても、わからないことがよくあります。こういう場合、レントゲン(エックス線)を撮って、むし歯かどうか確認します。それで虫歯が確認できれば、むし歯治療となりますが、それで虫歯が確認できなければ、ほとんどの場合、歯の知覚過敏、知覚過敏症ということになります。

私が、歯医者になりたてのころ(30年前)、の時代は、歯がしみると言われる患者さんの多くは、知覚過敏ではなくて、虫歯でした。現在は、歯の知覚過敏症の人が多いです。私の個人的な理解は、当歯科医院に来院しておられる方は、口の中のことに対する関心が高く虫歯になりにくいということと、もうひとつは、30年前は、今ほど口腔衛生の考えが、浸透していなかったので、しみるための歯がなかった、存在しなかったのではないかとかんがえています。つまり、しみる前に歯がダメになっていたのではないかと私は考えています。これは、なぜ知覚過敏症になるかとも関係しています。

歯がしみるのは、歯と歯茎の境目に最初はわずかな、くぼみができて、そこがしみる場合がほとんどです。このくぼみはどうしてできるのか?私が、歯医者になりたてのころは、多くの歯科医療関係者は、強いチカラで、歯磨きをし過ぎだから歯のつけ根が削れてしみるようになると考えていました。そういうこともある程度あるかもしれませんが、一番の原因は、歯の噛み合わせに問題があるということです。

日中のくちの中の正常な状態は、喋ったり、食べたりする時以外は、上と下の唇を閉じて、上の顎の歯と下の顎の歯の間は、わずかにすきまがあります。仕事に集中したり、チカラ仕事で食いしばったりして、無意識的に上の顎の歯と下の顎の歯が接触していたりすると、歯がしみる原因となったりします。(顎が痛くなる原因になる場合もあります)。

寝ている時は、多くの方は、歯ぎしりをします(実際に歯ぎしりを自覚できる人はごくわずかです。私も多分歯ぎしりをしています 上の顎の小臼歯が数年前に、口の中に出ている部分が虫歯ではないのに折れてしまいました)

歯ぎしりしたり、上の顎の歯と下の顎の歯が接触したりすると、噛み合う部分の面の歯はすり減ります。それと同時に歯と歯茎の境目の歯のつけ根が、歯磨きの時、歯ブラシのこすりあわせや、いろいろな刺激ですり減っていきます(歯の根っこを包みこむ歯槽骨が、歯が揺さぶられた時に、歯と歯茎の境目の部分の歯にチカラがかかり、歯のその部分が削れやすくなる状態になる)。

以前は、歯磨きが、しっかりしていない状態で(歯垢、プラークが多い状態で)それに加えて、歯ぎしりなどがあれば、歯が、比較的早期に抜けるか、抜歯しなくてはならない状態になっていましたが(この異常な歯にかかるチカラと細菌汚れの二つがそろうと加速度的に歯がぐらついてだめになります。)、現在では、歯磨きがしっかりしているかたがおおいので、歯にかかる異常なチカラだけでは、歯が直ぐに、ぬける可能性はひくくなり、おおくの方に歯が残っていますが、異常なチカラはかかったままになっていますので、私の考えでは、知覚過敏症は多くなっています。