2017年12月23日

歯科領域における細菌が、糖尿病や動脈硬化に関係していることは、色んなところで述べられていますが、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)も関係しているのでわないかという報告が色んなところでされています。

最近の歯科の大学における歯周病の原因菌、むし歯の原因菌自体の研究が進み、その次の関心は、それらの細菌の全身に及ぼす影響にいっているのと、直接患者さんにその研究結果の成果が影響を及ぼすことからきているのでしょうか。

 

以前は脂肪肝といえば、アルコールの飲みすぎでしょ、ということでかたずけられていましたが、最近では、研究がすすみ、脂肪肝は、アルコール性脂肪肝炎と、非アルコール性脂肪肝の2種類あり、

その非アルコール性脂肪肝には、単純性脂肪肝(SS)と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)があります。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は元々は、あまり注目されませんでしたが、20~30年ぐらい前にアメリカのアルコールを飲むはずのない修道院の修道女が脂肪肝から肝臓がんになったのをきっかけに急に注目をあつめるようになりました。

 

いかにして、そのNASHになるかのメカニズムはいまだに解明されていませんが、現在は、2段階攻撃説(two-hit theory説)と言うのが有力で多くの医療関係者に信じられています。

1段階目の攻撃(1st-hit)は、栄養の取りすぎでメタボ状態になり糖尿病や高脂血症になり、それに伴って単純性脂肪肝(SS)になります。

そうしているうちに2段階目の攻撃(2nd-hit)がおきます。これは、酸化ストレスや細胞内のミトコンドリアのある種のはたらきで、肝臓内に繊維化・炎症がおきてしまいます。この2nd-hitに歯科における歯周病の細菌であるジンジバリス菌(p gingivalis)が関与しているのではないかと考えられています。

 

横浜市立大学の消化器内科の中島教授のグループの研究によると、NASHの患者さんのジンジバリス菌の保有率は52%であって、普通の健康な人の3.9倍ありました。

そして肝臓が破壊される時に血液のなかに出される物質ALT,ASTの値が、歯周病の治療をすると低下するのを確認しました。また、マウスの実験で、栄養を多量に与えて太らせたマウスのからだのなかにジンジバリス菌をいれると3ヶ月後に肝臓が1.5倍に肥大化して肝炎が悪化しました。

 

大阪大学歯学部の歯科医師の研究グループも、ジンジバリス菌や、むし歯の原因菌であるストレプトコッカス、ミュータンス(ミュータンス菌)や色々な口腔内の細菌とNASHとの関係を解明する研究を行っていて、NASHと口腔内の細菌は深い関係性があるのを証明しています。

その他、様々な研究がされていて、結論としては、

 

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の予防・治療には、口のなかを清潔にたもつこが、重要であるということですので、歯科医師としても、来院される方々の口腔内がいい状態になるように努力していこうとおもいます