2017年12月17日

以前程ではありませんが、歯科医院でインプラントの治療をしたらMRIの検査を受けられなくなるのではと患者さんに言われることがあります。
患者さんに、どうしてそう思っておられるのか聞くと、多くの場合は、通っておられる病院の医師や看護師から言われたというこです。

 

つい先日も、患者さんから尋ねられました。(今回は、医師や看護師から言われたかどうかは、患者さんには聞きませんでしたが。)
結論からいうと、何の問題もありません
7年ぐらい前に、事実ではない間違った情報で、歯が無く噛めなくて困っている人のインプラント治療を受ける権利を、奪うのは、大きな問題点なのではないかと、多分、関係している医師、歯科医師が思い、それがきっかけとなってか富山の医師会、歯科医師会が共同で、インプラントとMRIについての講演会が行われた事もありました。そこで、専門家の中の専門家による何の問題もないという説明が多くの医療関係者に説明されました。
インプラントとMRIに関して、問題になる可能性があった事は、金属類にMRIの磁気を当てると発熱する可能性があるということでした。
これについては、色々な実験・研究がされています。
結果としては、温度の上昇は微々たるものきわめて最悪な状況を想定しても、1℃以内で、全然問題となるものではなかったということです。この温度の上昇についてはインプラントだけで無くいくつかの歯科治療を想定した結果も研究されています。
すべての条件の設定で、温度の上昇は微々たるものでしたが(1℃以内)、その中で想定があまりされなかったけれども、温度が上昇して注目を集めたのはインプラントでなく神経をとったあとの土台の金属(歯科関係者の間で、メタルコアと呼ばれているものです)でした。
虫歯の治療をする時に、神経をとることがあります、その時に、削られた部分を金属の土台(歯科関係者はこれをメタルコアと呼びます)で作ることが、以前はほとんどでした。その金属(メタルコア)のさきの部分は、歯の根っこのふかくに入っていて、それによる歯の根っこの温度上昇が、実験したいくつかの条件の設定の中では大きかったです。(いずれにしても温度上昇が小さすぎて、比べること自体が難しいです。)
このメタルコアを入れておられる方は、日本では多くの方が入れておられて、インプラントを入れておられる人と比べると桁が幾つかちがう人数だというイメージを私はもっています。
しかしながら、すべての条件の設定で温度上昇が小さいため、問題にはならない状態であり、過去にもこれによる問題がおこったことがありません。

 

もう一つ問題になる可能性があるのが、MRIの画像に金属によるノイズが入る・検査で得られた画像に見れない部分(歯科関係者はアーチファクトと呼んでいます)ができる可能性があるということです。
これについても、研究されています。ほとんどの場合、脳梗塞などによりMRIの検査が必要になったときでも、知りたい脳の部分の画像にはアーチファクトはできないということですが、条件の設定を無茶苦茶厳しくするとアーチファクトが入る可能性があるということです。この場合、撮影の設定の条件を替えると解決できるとのことですし、今まで問題になったことはないそうです。
アーチファクトに関しては、チタンでできたインプラントよりも(チタンの金属はアーチファクトをつくりにくい)普通の歯科治療のブリッジの方が、金属の種類や大きさという観点から、アーチファクトを作りやすくなります。これに関しても、いままで問題になったことがないようですが。
結論としては、MRIの撮影をするにあたり歯科インプラントをいれていても、何の問題もないということです。