2017年08月13日

我々50歳代の歯科医師が大学時代の歯科学の専門課程で最初に習うことの一つに 嚥下の5相というのがあります。最近では嚥下の5期と呼ばれているものです。

 

ヒトが如何にして 食べ物を胃に運ぶかを 理屈だてて、科学するものです。

 

この嚥下の5相は基礎医学の生理学の授業で、勉強するもので、最近また、歯科領域だけでなく、医学を学ぶ人全員にっとて、大切なものとなり、理解することが必須となっています。

 

嚥下の5相ということで、嚥下は 5段階に分解されて、そして統合され 行われているという考えです。

①先行期

②準備期

③口腔期

④咽頭期

⑤食道期

です。

①先行期 食べ物を 食べ物として認知する期間です。健康が方は、形や量 臭いなども無意識に判断します。認知症の方はこの時に問題があり、食べ物と認識できなければ、それをたべるという行為も続きません。

 

②準備期 口の中で かみ砕き、バラバラなたべものを まとめるまでの過程です。歯で噛み砕いたり、食べ物を舌や頬で歯の上に乗せたりします。歯を中心とした歯科的な問題があると影響をうけます。

 

③口腔期 まとめあげられた食塊を舌の上から 咽頭に送るまでの過程です。

 

④咽頭期 食べ物を 咽頭から食道に送り込むまでの過程です。ゴックンするのもこの咽頭期になります。正常ならば いつも呼吸で開いている気道を食べ物が通る時は ふたを閉め 気管にはいらないように 無意識のうちに体は動きますが、気管の上で蓋が閉まらない 蓋が閉まるタイミングが遅れると気管に食べものが入ってムセたり 窒息したりします。

 

⑤食道期 食べ物を 食道から胃に送るまでの過程です。高齢者が食後すぐに横になったり(おきていれば重力で食道から胃に移動しやすくなります) 最近よく話題になっている胃からたべものが逆流したりすると、問題になることがあります。メンデルソン症候群

 

 

嚥下の5期といのは、古くからある嚥下についての 考えですが、実際には 固形物にかんしては、このように明確にわけておこなわれるものでなく、歯科学的には 咀嚼、かみ砕いている最中に 実際には、少しづつ 食べ物が口腔から咽頭に移動しているという事実からプロセスモデルという考えが最近では広がってきています。